小さな船が作る二つの波のレールは、広がり広がり、やがて消える何が大切なのか、いまいちわからなかったけれど、それでも、そのぼんやりとした何かを大切にしたいと思う消えていくレールを眺め、涼しくなった風に前を向かされる消えてもまた、新しくレールをひいていこう静かに一人頷いた。
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