「わたし、金木犀の香りって嫌い」この時期になるといつかの君の言葉がリフレインする声さえもれそうな程切なくなるんだ夜の静かさは冷たく、どこまでも金木犀の香りに包まれる鈴虫の声は賑やかで、でも涙を誘う人は人を求めるのだけれど、どうしたって埋まらない…寂しさ。孤独。君は言った「わたし、金木犀の香りってきらい」それは寂しいと言えない、君の強がりだった
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