ホーム > 詩人の部屋 > 詩奈の部屋 > 五月、土曜日の午後

詩奈の部屋


[59] 五月、土曜日の午後
詩人:詩奈 [投票][編集]

土曜日の午後

窓から入る五月らしくない冷たい風
頬に当たる風に耳を澄まし
ぼんやり見つめる遠くの曇り空


遠くで響く
「もういいかーい?」
に何故か僕は應えた

「まーだだよ」



平日には見落としてしまうくらいハイスピードの時計の針も
今日はのんびり進む

落としてきた物をいくつ拾い集めたら
満足できる自分に出会えるのだろう

小学生の帰りを急かす5時のチャイムは
かくれんぼを中断させたのと同時に
僕までもを現実に帰した


もういーかい?

もういーよー


次はきっとそう返せる僕で在りたいと
静かになった窓の外を見ながら思った



2005/05/21 (Sat)

前頁] [詩奈の部屋] [次頁

- 詩人の部屋 -