詩人:詩奈 | [投票][編集] |
土曜日の午後
窓から入る五月らしくない冷たい風
頬に当たる風に耳を澄まし
ぼんやり見つめる遠くの曇り空
遠くで響く
「もういいかーい?」
に何故か僕は應えた
「まーだだよ」
平日には見落としてしまうくらいハイスピードの時計の針も
今日はのんびり進む
落としてきた物をいくつ拾い集めたら
満足できる自分に出会えるのだろう
小学生の帰りを急かす5時のチャイムは
かくれんぼを中断させたのと同時に
僕までもを現実に帰した
もういーかい?
もういーよー
次はきっとそう返せる僕で在りたいと
静かになった窓の外を見ながら思った