正解も不正解も真実も嘘も描けない場所で僕は涙した雨の音に耳を傾け「切ない」とつぶやいてそれでも濡れることはなかった失わずに全てを抱えていてもその全てを大切にはできないのだ笑う度苦しくて泣く度情けなくなった流れは止めることも変えることもできないけれど僕自身は止まることも変わらずにいることもできたはずだった強くなる雨冷たい風冬はもう近い傘なしでも外に出てみようと僕は覚悟を決めた
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