詩人:夕空 | [投票][編集] |
空を見ていた
青い
青い
蒼い
月が睨んでいた
僕は目をそらし
空を見上げた
空としての
月を見上げた
空を見ていた
月の先
空より彼方の
蒼い海を
見せられていた
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心に落ち着いて
想いに色あせて
言葉に惑わされて
ふぃに
止まらなくなっていた
溢れ
充たした
雨は降り止み
空に雲は一対も無く
大地は海に沈んだ
水面の底に人々は住み
水面の水面で
空と地を見ていた
月は変わりなく
地を照らし
水面に沈み
空だけが
青さに色醒めている
…永遠の青さに…
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私が見たモノは
私が見たモノに過ぎない
アナタではない
私でもない
…私が見たモノ…
ただ、それだけ
現在が正しい
…のではなく…
見えただけなモノ
私が見たモノ
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たわむれの
なつかしみとは
円の外
さざなみと
日陰に暮らしていた
遠巻きに
ことあることに
ことあるに
ひとり灯火
囲いし夜を
過ごしていた
夜は覚めない
目覚めない
月は消えたまま
佇んでいる
月に揺られながら
形の無い
壊れたまま
不格好に
くたびれたまま
触れられない
既に、壊れているのに
壊れそうで
突然の凪に
蝶が舞った
水面には波紋
影が口を閉ざしていた
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焼け落ちた肌と
ただれきった魂を
海へ掬い問った
鼓動はひとしおで
涙は空覚めた
月が泣いていた
木陰で
人々は笑いながら
無意味に
愛を囁きあった
歌を唄った
神の詩
なにもないことだけが
私を支配している
無地の本には
一行
「何処にも何も無い」
ただそれだけが
空白に色を
無価値に置き換えて
何処は何処だろう
ここは
ここには
冷たい死体だけが
息している
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引き出しの中
奥の机
膝枕
夢の続きの
月の夢
儚く青い
夜の夕べ
朱に混ざった
汚れ無き
朝靄の中
空は
やんわり
赤い顔をした
懐かしんでいた
夕べの夢の
儚き月を
…照らし描いて…