詩人:夕空 | [投票][編集] |
蟻には
絶壁の壁
でも
猫には
ただの壁
人間には
ただの扉
でも
猫には
開けられない扉
鍵の掛った扉でも
鍵を持つ人には
誰でも開けられる
だけど
此処には誰も入れない
私だけ
私一人だけ
誰にも開けない
私さえも
鍵を持たないから
…まだ一人のまま…
外の景色
だけを眺めている
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暗闇の空に
写し出された月明かり
風に揺らされ漏れた灯
憂鬱
小さな花に降り注いだ
月の生む闇に
絶望を覚えた
僕は
ぼんやり
月を見下ろしながら
月を折った
光が闇へと移り潜んだ
…ほんの一時だけ…
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深海にあまねく
雪の赴くままに
尽きる事の無い
永遠に凍結したまま
募る雪
生を生かす…
…果てのない旅
人間が辞めて…
…しまった罪を
止まる事のない糧を
…祈る事の意味も
無く積もる…
いずれ
この雪が止まれば
救われるだろう
光輝く果ても無い雪を
…空へと帰す時まで…
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救われたかった
許されたいんじゃなくて
ずっと祈って
ずっと願って
ひっそり潜んでは
ぷかぷか
君には見えるかな?
水面 月
水月
その間にある…
…その灯が
僕は思うんだ
月も水面も水月も
…本当じゃないって…
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淡く妬かれた空に
ひっそりと影を置いて
君に近付く
そっと撫でるように
だきしてめて雲を払う
ずっと一緒だと…
…魔法をかけて
太陽は空へと沈めて
月の石に光をかざして
君の影に
身を焦がしながら