歩いていく此の影を足を緩めて息を沈めて畔に立つゆっくりと細波を光と風に分けるように風を逐う背を向けてその奥を覗き込む影に隠れた月を観る様にその様を視る白紙に線をなぞる様に息を止めて後はそれから跡になる産まれ逝く空白を遺してそれがその域つかぬ間の呼吸を留めて影の形を作るそれがその詩光を灯すヒトトキの間の未来
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