午前、体育館。みんなが顔を洗いに行っている時、私は床を眺めてた。光の反射で舞台や窓が、ぼやけて映ってた。外の友達や先輩の声がせみの声と聞こえてくる。それが静かな体育館に鳴り響いて、やけにその床に映った物が幻想的だった。緑色の体育館の床。まるで水面のようだった。たったそれだけのくだらない発見。
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