もう遅い。既に私は君のことを肯定していて、既に君は私を支配している。もう遅い。仮令私が君の腕でもがいても、仮令君が私の籠めてる腕の力を抜いたとしても、もう遅いのだ。嗚呼、取り返しなど付くものか。最早私は君から離れられない身体になっていて、最早君は私の事などお見通し。もう遅い。もう遅いのだ。時間など元に戻らない。気持ちなど変わりやしない。然様なら。正しかった私。今日は。狂ってしまった私。
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