詩人:36 | [投票][編集] |
ふと足元にコツンと何かがあたった
カランコロンと音をたてて
思ったよりも長く転がった
それは遠目にはきれいに透き通った小さなビー玉だった
なぜかふと気になってそいつを捕まえた
透き通っていたはずのそいつは傷だらけで
ひとめでボロボロだとわかった
いったい何度けられたのだろう
いったいどれほど転がったのだろう
身体いっぱいに傷をつけ
ただ されるがままに
涙も流せずに
ただただ傷ついていく
なぜだろうか
それがまるで心に見えた
知らぬ間に傷がつき
知らぬ間に透き通ることを忘れていってしまう
だけど知っていて欲しい
どれほど傷ついて真っ白になろうとも
中はいつまでも透き通り続けていることを
そのビー玉を
もう傷つけたくなくて
そっとポケットに入れてやった