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千波 一也の部屋


[1036] 調律
詩人:千波 一也 [投票][編集]


きっと、

昔はあそこにすんでいた


時々

こころ細くなる日や

意味もなく弾む日や

笑って、笑って

沈み込みたくなる日があって

どうしようもなく、

あって


いたって普通の

イレギュラーな毎日の途中で

見上げる月は

いつも不思議で

いつもうつくしい

途方もなく、

うつくしい


だから

歌ってみるんです

嘘とか本当だとかの次元じゃなくて、

いつか

昔はあそこにすんでいた

きっと、

すんでいた

って

軽く歌ってみるんです


そうしたら

想いは案外

重くはなくて

軽くもなくて

ちょうどいいのかどうなのか

よくわからない

その感触に

夜はあって、

独自に

あって


気がつけば

この眼はとうに

つぎの翼を探してるんです、

月だって

ほら

静かながらも進んでる

したたかに

まことにしたたかに

進んでる


ふたつ、みっつと

レギュラーに。



2011/08/03 (Wed)

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