詩人:千波 一也 | [投票][編集] |
空から降りた
この雨の
いつ、を
えがこうと
わたしの自由
だから
わたしも
あまり多くを
気にかけないで
雨に
ふられる
ふれ、られる
しずくが
水面に還るとき
ちぎりのしるしに
指輪がうまれて
きらきら、
消える
それを
わたしは
どの岸辺から
見ていたのだろう
空から降りる
あの雨の
見てきたものを
わたしは知らない
水面に映る
わたしの顔は
どの
深みからの
視線だろう
この
手の届く
水は浅くて、
水面に映る
雲がゆれ
る
空から降りる
それ、が
雨なら
それ、の
降りたすべても
雨にほかならない
波間に
あらわれて、は
遠のいてゆく日々を
幾度も
飲み干してきた
砂、と
して
微細な空が
遠大な空を埋め尽くすから
遠大な空は
均衡を保つしかない
微細に、
保つしなかい
雨、のかなたに
あるいは底に
雨の隣、に
あるいは手中に
はじめから
決まりごとなど
なかったよう、に
雨は
ひとつになろうとしている