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千波 一也の部屋


[1208] 残されたもの
詩人:千波 一也 [投票][編集]


ちいさな駅で見送った
あなたの笑顔は
まっすぐでした

こころ細さに折れそうな
わたしの代わりを
つとめるように

あなたの笑顔は
まっすぐでした



とおく、
遮断機の音が鳴り止んで
口からこぼれた
「ありがとう」

直接に、
あなたへ渡せなかった
「ありがとう」



なんにもない青空の
平素なまぶしさは
今なお鮮明です

鮮明に
寂しいものです



手をふるあなたの
かすかな淀み

今ならば少し
みえる気がします

恥じらい混じりのほほえみが
ようやくかなう
今ならば


2014/02/14 (Fri)

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