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千波 一也の部屋


[1233] 越権
詩人:千波 一也 [投票][得票][編集]


火が
ほしかったから、

そっと
恥じらいをまぜて

お月さまに
耳打ちしました
そっと


まるで
玩具のような運命の
わたしです

あわい
夜の吐息にさえ
消されてしまいそうな

さびしい
さびしい
祈りです


それだから
火がほしかったのです

あの
尊い遠くの
お月さまなら、

授けるすべを
ご存知かもしれなくて


蟻ほどにも働けぬ
不精で
矮小な
たわごとだけれど

ささやかならば
ささやかなりに
許されそうで

望みを
こぼしてみた次第です



2014/02/19 (Wed)

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