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千波 一也の部屋


[1256] 影うた
詩人:千波 一也 [投票][編集]


幾重にも
連なってゆく
痛みの無言に慣れてしまう
その痛み

それは
誰にも明かせないから
誰もがみんな
重たく齢を
重ねる


褒美のような光の背には
忘れられ過ぎた美しい輪郭が
揺らめいている

幾重にも
歓びあって
揺らめいている


丁重に
差し障りのない物語を
憐れみながら

己もやがては
そこに身を置く


幾重にも
降り積もってゆく
白い穢れに清められてしまう
その漆黒

それは
誰にも見つからないから
誰もが小さな重みを
護る


2014/03/16 (Sun)

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