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千波 一也の部屋


[1273] 夢だもの
詩人:千波 一也 [投票][編集]



変幻自在なあやしさを
とにかく、すぐにも
体得したいね

敵があるのが仕方ないなら
そうしてかわしたいものだね


矢継ぎ早に寄せる白目には
理路整然と語るしかないね

日が暮れたって
夜が明けたって
黒目になるまで付き合う覚悟を
持ちたいね


何事も
それなり、の知性でいいはずだね

それなり、の定義は難しいけれど
適切な痛みが伴うならば
おおむね良好な
定義だね


恥ずかしくてもいいじゃない
消え入りそうでもいいじゃない

あなたが指さしかねている
その幻を
あなただけは
確かに愛してやまないのでしょ

べらべら漏らさない佇まいが
ゆかり正しい秘密の所作だもの

後ろめたさは健全の証だね


寂しくなりたいね
虚しくなりたいね
とことん、とことん
思い詰めたいね

あなたにしか守り得ないのが
夢なんだもの
あなたのための夢だもの
哀しいことに耐えなきゃね
苦しいことに耐えなきゃね

だって、どうする
ほんとに失せてしまったときは


明かりなんて要らないね
目の前が見えたらそれで上出来だもの
目の前すら見えないなんて
よくある話だね

明かりの素質があるとしても
それはあなたになんて
向かないからね

そうと知ってもなお
明かりを求めるかい


責めるものには
責めさせておきなさい

無視ではなく
蔑視ではなく
ないがしろではなく
責めさせておきなさい

ときに
その責めるものが
あなた自身であることもあり得ると
わかって、ね


支離滅裂な真っすぐさを
いつも、いつでも
頼りにしていたいね

迷惑だろうと
身のほど知らずだろうと
世間知らずだろうと
愚かだろうと

迎えに行かなきゃならないからね
ずっと、待ち続けてくれるのが
夢だもの


たやすく呼べる、
たやすく呼べるだけ、の
あなたも
わたしも
同志だね


2014/03/22 (Sat)

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