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千波 一也の部屋


[1299] わたり鳥
詩人:千波 一也 [投票][編集]

水と
ひかりと
ささやかな糧とがあれば
翼たちの朝は
まもられて

どれかひとつでも
均衡のくずれる日に
翼たちは
旅立つ

あたらしい朝を迎えるため
一斉に
旅立つ


 翼は
 個々に
 ひたむきに
 何千、何万と
 羽ばたくのだろう


けして
数えられることのない
羽ばたきの向こうに
たしかな能動を
証して

翼たちは
約束を迎えにゆく

告げる言葉も
告げられる言葉もなく

朝が
わたりゆく



2014/08/01 (Fri)

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