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千波 一也の部屋


[1323] お客さま
詩人:千波 一也 [投票][編集]




愛想の悪い
コンビニ店員がいて
時々ムッとするけれど
それは私の勝手な
お客さま感情なのかも知れない
缶コーヒーを
一本買ったくらいで
「こっちは金を払ってんだぞ」
って
偉そうに振る舞いたくなる
お客さま感情なのかも知れない

愛想の悪いニイちゃんが
ばあちゃんの荷物運びを手伝っていたりする
愛想の悪いネエちゃんも
子連れママを気遣って通行していたりする

ぞんざいな釣り銭の渡し方に
少しムッとしつつ
この店員も
どこかのホテルやファミレスなんかでは
ひとりの客なんだよな、って

ひとり、胸のうちでボソボソ言いながら
ひとりの客であるはずの私は
客である前に
何者に映っているのだろうって
気になった

もちろん
聞けるわけなんかないけどね













2015/09/21 (Mon)

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