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千波 一也の部屋


[587] 埠頭
詩人:千波 一也 [投票][編集]


埠頭に

群れなす

カモメはすべて

哀しい心のなれの果て



船は今日も出てゆくのだ



海は広いというのに

のぞきこめない

瞳の深さをもって

船は今日も出てゆくのだ



乗れない者と

手を振る者と

うつむく者と

その

鮮やかすぎる不幸について

船はいつか振り返るだろうか



船は行ってしまった


埠頭に

群れなす

カモメはすべて

哀しい心のなれの果て


2006/09/09 (Sat)

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