ホーム > 詩人の部屋 > 千波 一也の部屋 > ミラーハウスで

千波 一也の部屋


[600] ミラーハウスで
詩人:千波 一也 [投票][編集]


ミラーハウスで求め合わないか

前と

後ろと

右と左と

斜め、っていう曖昧な角度も加えて

つまりはすべて



求め合う姿はすべてに映るさ

求め合うふたりに

すべてを魅せるさ



理性なんていう逃げ道は

僕の腕で塞いであげるから

本能の瞳で

覗いてごらん



揺れて揺られて、なかなか焦点の合わない姿


きっとそれが

愛の答で

求め合うちからの凄まじさの前では

はなはだ無力な存在なのかも知れないね

でも、

だからこそ知っておくべきじゃないか


ミラーハウスで求め合おう



唯一、床には何も映らないけれど


営みの痕が

そこに生まれた時間を

証明してくれるはずさ


物知り顔で

穏やかに

そう、

水鏡の気分で




2006/09/09 (Sat)

前頁] [千波 一也の部屋] [次頁

- 詩人の部屋 -