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千波 一也の部屋


[608] 献花
詩人:千波 一也 [投票][編集]


さくら かんざし

あかねの 鼻緒

ねむりの いわおに 

腰かけ

仰ぐ 


ちり ち り りん

金魚の尾ひれが 

風鈴を蹴る

ちり ち り りん

黄色の帯と 

左手 

うちわ



嗚呼、ごらん

濃紺の天辺に白糸が染み渡ってゆく



だいだい 

もえぎ  

あお孕む、朱


浴衣の うなじに けなげな上気

愛でることばの 

ひとつ ふたつが

ほろほろ 散りゆく 灯りを彩る



納涼の宵 

盆のさかずき 笛 神楽

納涼の宵

さやかなる川 走馬燈



彼岸に あげは が さらりと溶けた


焦げの けむりは 船出の薫り

銀河の巡りは 

かくも鮮やか



いちるの涙の流れに乗って 天へと昇るすべてのものへ

しずかのうみの 

その凪 

祈り



大輪の菊 

いちりん

捧ぐ



2006/09/09 (Sat)

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