空のいろには 届くはずもなく
だからこそ
仕方のないほどに
空のいろを
瞳に宿しながら
きりんは
ゆっくり緑を咀嚼(そしゃく)している
その
長い長い首の得る高さは
まっすぐにもろくて
翼をもつ生きものたちも きっと同様で
ぼくの憧れとやらは
なおさらに危うく
つのる
いま 梢にひとつ緑が揺れた
あれは ぼくにとって
どのくらい無縁であっただろう
陽だまりも さえずる羽も
やさしく絵画の枠を出て
きりんは
相も変わらずに
緑を咀嚼(そしゃく)している
そらへの角度は知らずにおこう
と
ぼくは
想う
2006/09/09 (Sat)