詩人:千波 一也 | [投票][編集] |
見上げたそらを
駆けてゆく
ひとすじ
それがまだ
尾であるならば
どうか尾のままで
胴と
両目と
ゆびさきと
まったく等しく
失せてゆけ
罪とは
かぶるものであるらしい
永く身を染める月は
かぶるものか
かぶせるものか
遠い国からは
えてしてすべてが
まぼろしとなり
近くに想う
終わらないものはなく
始まらないものもない
それは
もしかすると
終わりと始まりと
もろともに拒む
そのための原理
火山灰は降り積もる
たぶんに
きのうときょうとでは
異なりを
はらみながら
火山灰は降り積もる
今宵も月は
寒々しくも暖かく
ひとみのなかで
まぼろし
となり