詩人:千波 一也 | [投票][編集] |
ざわめきを聴いていた
誰か、いいえ
それよりもっと
わかりやすいものたちと
孤独を分け合って
ざわめいていた
聴いていた
つばさを諦めることで
繰り返されてゆく、
そのつばさに
そむきながらも
満たされてゆけるから、
どこまでも
どこまでも
とまどい続ける音がある
そこからが、波
水のいのちのそこまでの
くずれるかたちと
真夏はすずしく
託す途中と真冬は祈り
おなじことだったかも知れない
たとえ真逆だとしても
そらから降りてきたところ
あるいはうみを畏れるところ
溜息ひとつも
ひかりとなるなら
はじまりのため
射抜けばいい
すべてを
刹那のうたがため
うごめくほとり
揺らめくかたわら
ひとしれず花のほころぶように、
蒼から目醒める
無数のゆめに
永遠をゆく
水のいのちは