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千波 一也の部屋


[891] 澄み渡れ、春
詩人:千波 一也 [投票][編集]


迷いや憂いが

くもらぬように


目から

胸から

耳の奥から

にごりに満ちて

澄み渡れ、






 愛するべきと

 かなしむべきと

 つつしむべきと叫ぶべきとに

 挟まれ

 まもられ

 恥じらい、やすらぐ


 どうしてだろうか

 弱さや

 もろさや

 頼りなさほど

 捨ててはおけずに

 重ね

 重なる


 押され押されて

 なおつぶれても

 灯りのような

 ひとみを

 もって




晴れてゆく疑いに

沈み

しずかに

眠れるように

澄み渡れ、




傷つきやすい直線と

よく似た背中へ

まっすぐに


2008/06/11 (Wed)

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