迷いや憂いがくもらぬように目から胸から耳の奥からにごりに満ちて澄み渡れ、春 愛するべきと かなしむべきと つつしむべきと叫ぶべきとに 挟まれ まもられ 恥じらい、やすらぐ どうしてだろうか 弱さや もろさや 頼りなさほど 捨ててはおけずに 重ね 重なる 押され押されて なおつぶれても 灯りのような ひとみを もって晴れてゆく疑いに沈みしずかに眠れるように澄み渡れ、春傷つきやすい直線とよく似た背中へまっすぐに
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