ごめんね。でも、僕が愛しているのは、―――、だけなんだ。でも、ありがとう。すごく、すごく、嬉しくて。あぁ。泣かないで、泣かないで、――――ごめん。眉を歪めるだけで、泣く事の出来ない自分をひどく、憎らしく思う。そんな、寂しそうな。君にそんな顔をさせているのは。僕、なのに。初めての失恋だ、と。作り笑いをうかべたきみの頬に、伝うなみだは。古ぼけた街灯に反射して、キラリ、にぶく、光った。
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