詩人:みあ | [投票][編集] |
急にあの頃が恋しくなって
懐かしい店に行ってみた
店は何も変わらずあの頃のまま
いつものココアも温かくて
変わったのは私だけだと
まざまざと見せつけられた気がした
初めて頼んだケーキを眺めていたら、
いつの間にか冷たくなっていた
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甘い香りが煙をかき消して
活字を引き止める
音漏れの激しい隣も
気にとめたりはしない
待ち合わせを気にしているのに
甘い香りは容赦なく包んできて
もう出なければ間に合わないという時も
強引な訳ではなく
ただ誘惑する
初めての時は
綺麗だった
いまはもう
気付けないと思う
見つけられないのかもしれない
見失った訳ではない
あれは幻だったのかもしれないのだから、
待ち合わせに遅れて
予定が狂っても
白はいつでもやわらかいから
解かれるのだろうか
ただあたたかくて
それが甘い香りなら
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ぁ、ぁー
りすとかったー
りすとかったー
その手首はバーコード
りすとかったー
りすとかったー
少しでも価値が上がるように
今日も繰り返す
りすとかったー
りすとかったー
赫い光と機械音
この商品はお幾らですか
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腐食していく君に
最高級の愛を
剥れた片足を
大事そうに抱き締めて
いい香り
帰って来るまでに
少し傷んじゃったけど
薄い体によく似合う
冷めた雫の下
まつげが
震えた気がした
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ネコみたいに
きまぐれな君が好きだった
笑ったかと思えば
怒って黙ったりとか
泣いてるのかと思えば
文句言いだしたりとか
でも
好きな人を想う君が好きだったよ
聞きたくないし
知りたくないよ でも
幸せそうに笑う君が 好きだったんだ
相手が僕なら
いつでも幸せなんだけど
そうもいかないよね
いつもがんばってる君が好き
文句ばっか言ってる君が好き
笑ったらとまらないところも
うしろがみをさわるくせも
全部
全部好きだった
大好きだったよ
でも もう言わない
何も欲さない
僕だけのものに なんて
願わないから
だから
別れの瞬間(とき)までは
そばにいて
その瞬間までは
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こんなに寒い夜なのに
家には
帰りたくなくて
それでも今日は
もしかしたら
温かい料理で
綺麗な飾りで
私を
待っているかもしれないって
少しだけ
そんな風に思った
刺すような寒さの中
ネオンがきらきらしてきれい
少しだけ
祈る様だった
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貴方の声が
欲しいんです
もう何も
望まないから
光も夢も
望まないから
お願いです
少しだけ私に
嘘をくれませんか?
私
だけに
約束なんて要りません
捨ててもらって構いません
だから
少しだけ
貴方の嘘を下さい
その声で
少しだけ
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時計の針が
削る
痛い痛い痛い
生きたいよ
生きたい
今を
精一杯
でも
わからなくて
誰か教えてよ
生きる
ということを
誰か教えて
もう充分
選べるくらい
死に方は
知ってるから