詩人:大示 | [投票][編集] |
僕に似ている奴がいる
いろんな色が着いた厚みのある奴
しかもお喋り
夜になったら出掛けてやる
いつも引きずられているんだから
たまにはいいだろう
暗い夜道
出番無いようだから
出掛けようとした時
珍しく話しかけてきた
だから応えてやった
『居ますが週休二日希望します』
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ふと気づいたら
大きな箱の中にいた
周りを見渡すと
たくさんの自分
同じ服
同じ笑顔
同じ動作
名前を呼ばれたので
ここから出ようとしたけれども出口がない
コトンと音がした
上を見上げるとクレーンが下がってくる
それは自分ではない自分を捕らえ
何処かに放り投げた
・・・・・・
もう少しここにいようかな
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私は操り人形
糸は有刺鉄線
繰るのは誰?
こんな様子ではあなたも私も傷だらけ
糸を変えましょう
せめて毛糸に
ほら
とても柔らかい
だんだん朽ちてきましたね
次は思いきって
蜘蛛の糸にしてみませんか
おや
気づきましたか?
私の思惑に
ええ、もう、うんざりなのですよ
あなたに操られるのは!
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騙し絵の中の真実に気付く前に何を描き足そうか
君の好きなものでも足してみようか
綺麗で哀れな、娘さん
あっさり、すっかり騙されて
別の絵に見えることなど考えもしない
一緒に居ても意味はない
考えることを止めてしまった君に
最後に何を贈ろうか
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苦痛の絶頂に耐えきれず、地へ舞い降りた
ここへ来れば楽になる
そう思っていたのに、苦痛が続くだけ
耐え難い苦痛は悪魔との契約の様に、その身に残る
もう遅い
僕には救えない
大地と空以上に離れてしまった僕と君
君の涙も
僕には拭えない
何故、忘れてしまったの
生きていればきっと、と
僕に笑いかけてくれたのは君だったと言うのに
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私の心の何処かに
『立入禁止』の立て札と
有刺鉄線に囲まれた一つの椅子がある
椅子に座っているのは
私
・・・ではなく
真っ黒の怪物だった
それは触れてはいけない者
誰にでも住み着くその存在
何気無い瞬間に
増殖してやろうと
その時を思い浮かべては
こちらを見て笑っている
私が私であるうちは
必ず駆除する予定
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冷たい小さな部屋に
散乱した沢山の玩具
僕の機嫌をとるために
浅はかな人が送り付けた
心無い贈り物
またあの人がやってくる
『何か欲しいものは?』
お母さん
何故、首を振るの
僕を創ったのは誰?
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素敵な人に出会うために
準備をしよう
デートの時
お洒落をするみたいに
大切なのは出会いたい人に相応しい姿と心構え
出会った時に胸を張って
想いを伝えられますように
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美しい一輪挿しに
花を飾って
人が作った水を注ぐ
すると全てが壊れた
水の材料は何だったのか
争いを産み出した人の手では
自然が産み出したものは何一つ作り出せないのだろう
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今の笑顔は偽物笑顔
どれほどの人がわかるだろうか
家族でもわからないのに
結局のところ
暴かれたくないのが
本音
暴かれたところで、崩れてしまった精神を
一体誰が組み立ててくれるのだろう
賽の河原の石積みと同じで自分しかいないのだ