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大示の部屋  〜 投稿順表示 〜


[341] 有り得ないこと
詩人:大示 [投票][編集]



真っ暗な部屋に閉じこもって

鏡を覗く歪なナルシスト


憎々しげに自分の顔を見つめ

『醜い』と吐く


どんな些細なことにも中毒がある


彼は

ずっと、そうしているのだ

白馬の姫が助けに来てくれるまで


2010/02/17 (Wed)

[342] 氷解の時
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氷の下を泳ぐ魚の様に

暗く冷たい、今を進もう


水の中で流す涙は

誰にも気づかれないから

凍り付くその前に

尾ひれを動かそう


暖かいゴールは

すぐそこまで来ている




2010/02/18 (Thu)

[343] 生きていく
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この世界で生きていたい


そう思える何か

そう思える誰かの存在



それが、なくなったとしても


僕は生き続けるよ


もしかしたら

誰かの存在理由に
なれるかもしれないから

2010/02/19 (Fri)

[344] エスコート
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君が鍵で

僕が扉


君の鍵は僕の扉と

あっているかな



扉の向こうに一緒に行けるかな




僕の世界を

楽しんでくれたら嬉しいな

一名様、ご案内


2010/02/20 (Sat)

[345] おいかけっこ
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私はいつも

逃げ回る自分の尻尾を
追いかけている


本当の自分をつかまえるのは

とても難しい


そこの誰かさん

もしよかったら

手伝ってくださいませんか?


2010/02/21 (Sun)

[346] 人と樹
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僕は木の根元に座り見上げた

空にひび割れを作る細い枝は

まるで死に絶えた様に
沈黙している


でも僕達は知っている


この木は幾度でも甦ると


切り倒されない限り

燃やされない限り


優しい色をたたえて

人々の笑顔を見下ろすのだ

2010/02/22 (Mon)

[347] 白い息
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世界の片隅で

僕は静かに息をしている


途方もないことに怯えながら

また

何かに幾ばくかの期待をしながら


真っ暗な部屋の中

息だけが白く光る

僕が生きていることを

月の光が証明してくれる


今は優しく

時に無慈悲に


2010/02/22 (Mon)

[348] 食べる権利、学ぶ義務
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サバンナの弱肉強食を見て

『可哀想だ』と呟いた僕は
今、豚肉を食べている


耳をすましても
叫び声は聞こえない



命のおかげで僕は大きくなり

今、生きている


2010/02/24 (Wed)

[349] 赤い君と靴
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つま先立ちの靴

そんなに空が恋しいのだろうか?



顔と顔の距離が少しだけ近い

赤い赤いハイヒール


僕と君の距離が少しだけ近い

赤い赤い君の頬


2010/02/25 (Thu)

[350] 目を覚ませ
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勝手に不用意に近づいて

勝手に不必要な醜い愛を

ベタベタ

ベタベタ

擦り付ける


その『愛』は、誰が見ても偽物

そんなんじゃ僕は騙せない


目を覚ませ


僕の中にある君の姿が歪む前に



醜いものが愛だと君に教えたのは

誰なんだ?


2010/03/02 (Tue)
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