詩人:大示 | [投票][編集] |
真っ暗な部屋に閉じこもって
鏡を覗く歪なナルシスト
憎々しげに自分の顔を見つめ
『醜い』と吐く
どんな些細なことにも中毒がある
彼は
ずっと、そうしているのだ
白馬の姫が助けに来てくれるまで
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氷の下を泳ぐ魚の様に
暗く冷たい、今を進もう
水の中で流す涙は
誰にも気づかれないから
凍り付くその前に
尾ひれを動かそう
暖かいゴールは
すぐそこまで来ている
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この世界で生きていたい
そう思える何か
そう思える誰かの存在
それが、なくなったとしても
僕は生き続けるよ
もしかしたら
誰かの存在理由に
なれるかもしれないから
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私はいつも
逃げ回る自分の尻尾を
追いかけている
本当の自分をつかまえるのは
とても難しい
そこの誰かさん
もしよかったら
手伝ってくださいませんか?
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僕は木の根元に座り見上げた
空にひび割れを作る細い枝は
まるで死に絶えた様に
沈黙している
でも僕達は知っている
この木は幾度でも甦ると
切り倒されない限り
燃やされない限り
優しい色をたたえて
人々の笑顔を見下ろすのだ
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世界の片隅で
僕は静かに息をしている
途方もないことに怯えながら
また
何かに幾ばくかの期待をしながら
真っ暗な部屋の中
息だけが白く光る
僕が生きていることを
月の光が証明してくれる
今は優しく
時に無慈悲に
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サバンナの弱肉強食を見て
『可哀想だ』と呟いた僕は
今、豚肉を食べている
耳をすましても
叫び声は聞こえない
命のおかげで僕は大きくなり
今、生きている
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勝手に不用意に近づいて
勝手に不必要な醜い愛を
ベタベタ
ベタベタ
擦り付ける
その『愛』は、誰が見ても偽物
そんなんじゃ僕は騙せない
目を覚ませ
僕の中にある君の姿が歪む前に
醜いものが愛だと君に教えたのは
誰なんだ?