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大示の部屋  〜 投稿順表示 〜


[361] 遠距離
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懐かしい、匂い

あの人がいた昔も

あの人がいない今も

この家の匂いは変わらない

だから探してしまうんだ

笑って出迎えてくれていた

あの人の姿を




帰ってきたよ

今日は透き通った空だから

よく見えるよね


2010/03/29 (Mon)

[362] 『桜が咲いたから』
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久しぶりに歩いてみよう

桜が、咲いているから


外に出る為の理由は

何だっていい


大きく深呼吸

風に誘われた桜の花びらが一枚

口に飛び込んだ


2010/04/05 (Mon)

[363] 
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私を見上げ

彼女は呟いていました


あの人にも見せてあげたかった




その優しい心をのせて

私は散りましょう


季節がかわっても

あなたの想いは必ず届けます


だから

どうか泣かないでください


またきっと会えますよ


命は皆、廻るのだから


2010/04/15 (Thu)

[364] 花の記憶
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忘れやすく

そして飽きやすい僕の心に

いつまでも残る花びらのふぶき




二度と忘れない

だから

ふぶきで隠したあの娘の顔を

思い出させてくれないか


笑っていたのか

泣いていたのか


どうしても知りたいんだ


2010/05/03 (Mon)

[365] 懺悔
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彼は寂しかったのだろう

彼自身は、それに気付いては
いなかった

そして

私も気付いていなかったのだ


たった独りで太陽を見て


たった独りで月を見る


そこには

『おはよう』も

『おやすみ』も


無い


たった一つの言葉に

どれほど癒されるか

知らなすぎたのだ



それが、あたりまえだった


彼の寂しく冷たい常識は

何年、何十年経とうとも

私が責任を持って

崩そう



2010/05/09 (Sun)

[366] 何処かのだれかさん
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扉の向こう

やって来る


音を立てて

やって来る


幾重にも

厳重に


鍵をかけた

あの

扉から


カタカタカタカタカタカタカタ



隙間から覗いたのは





狂暴な狂暴な

だれかさん


2010/05/23 (Sun)

[367] 愚者と星座と君
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思い出せないものは
何だろうか


必要だったものは
何だったのだろうか

いつもそばにいてくれたのは
誰だったのだろうか


それを手放した私は
愚かだったのだろう


星が好きだった君よ


もしも私が

かつての英雄達のように

夜空に輝けば

見上げてくれないか



君の為に

星を降らそう


2010/05/24 (Mon)

[368] 神様
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仮面を被った虹色ピエロ

道の真ん中に立っていた

いろんな色の服を着て

私をずっと見つめてる



仮面を被った虹色ピエロ

1メートル先に立っている

色とりどりの風船持って

私をずっと見つめてる



『君には、この色だ』

くれたのは

大嫌いな赤い色


押し付けられたのは

大嫌いな赤い色


あなたは、ずるい

虹色ピエロ



あなたは、ずるい

神様

2010/05/25 (Tue)

[369] ゆらゆら
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ゆらゆら

振り子の様に揺れている


他人から見て

世間から見て


正しい方に少し揺れ


他人から見て

世間から見て


拒絶される方に少し揺れ


ゆらゆら

ゆらゆら


ぱちん


鋏で糸をちょんぎった

飛んでいった

飛んでいった

どちらにふりきれた?



2010/05/31 (Mon)

[370] 螺旋
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しっぽを掴まれたネズミ

一生懸命走って


同じ場所をぐるぐる


同じ景色がぐるぐる


たまに聞こえる

敵の鳴き声に

身をすくませながら


ぐるぐる

ぐるぐる


しっぽを掴んだ相手に噛み付くか

それとも

しっぽを噛みちぎるのか


いつ

ネズミは窮鼠となるのだろうか



2010/06/14 (Mon)
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