詩人:大示 | [投票][編集] |
熱い地面をクチバシでつつき
枯れた草を大事そうに持っていく
風が少し強いけれど
小さい羽音を響かせて
君は飛ぶ
よたよた
ぱたぱた
暑い中、ご苦労様です
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過去が君を放さないなら
私も、この手を離さない
ずっと昔の失敗
秘密にしてしまえば
誰にも解らないのに
君は正直者だね
たどたどしい話し方
もどかしそうな君
でも私には伝わっている
古いカレンダー捲っても
昔の君には会えないから
私は今の君を見ているよ
がんばれなんて言わない
ただ生きていって欲しいんだ
過去が君を放さないなら
私も、この手を離さない
詩人:大示 | [投票][編集] |
底の見えない哀しみは
いつか歪んだ怒りに変わるの
歪むな、と押さえ付けても
じたばたと激しく暴れるの
こんな時は、静かに歌うの
誰の為でもなく
とうの昔に沈んでしまった
小さな私のために
深海で膝を抱く私に
届く様に
詩人:大示 | [投票][編集] |
私は鏡を見つめる
私は鏡にうつった私を見つめる
鏡像の二つの目を見つめる
こんな目をした人に会った時
気づいてあげられるように
友達の中にいても
見てみぬ振りをしないように
その人を抱え込んで
自分を見失わないように
今は自分を見つめる時
詩人:大示 | [投票][編集] |
皆が笑って迎える朝に
私は涙を流して時計を見る
皆が安らかに夢を見る夜
私は、冷たい汗を流して月を見る
苦しいなんて言葉はそこにはない
これが『普通』だったのだから
だけど
頭を撫でてくれる
あなたの顔を見て
あぁ、私は苦しかったのだろうな
と思うようになったのだ
詩人:大示 | [投票][編集] |
始まりの足音
流れ行く風に
誘われて広がる
遥か空へ
色褪せた世界を
過ぎ去った年月
残された心は
白く光る
まだ遠い歌声
最果ての草原
戸惑いを隠して
揺れる記憶
静かな祈りと共に行く
終わらない旅路を
ひとひらの言葉に
満ちて行く心は
星空に輝き
道を照らす
始まりの足跡
駆け巡る風に
誘われた命が
そっと開く
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想像を絶する大きな爆発は
美しい星をつくった
途方もない時が過ぎ
美しい星の上で小さな爆発が
幾つか起こった
けれど
それは何もつくりださなかった
今も
幾つもの小さな爆発は止まらない
失ったものは見逃しようもなく
大きいはずなのに
詩人:大示 | [投票][編集] |
間違っていようが正しかろうが
人の話は、よく聞くものだ
自分が今、どの位置にいるのか
わかるから
昔、正しいと信じていたものが
今、間違っていると感じれば
それだけ成長したのだと
わかるから