詩人:大示 | [投票][編集] |
古ぼけたメロディ
口笛と重なる
蘇るあの日々を
オルゴールに合わせて踊る
あの人はもう居ないから
物静かなところは、そっくりの
自分の影をパートナーに
三日月に照らされ
くるくる回るオルゴール
いつも一緒の陶器の人形
リタルダンドで止まるまで
私は眺めた
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見えないものだから
物足りない?
触れないから
贈った気がしない?
誰もいなくなってしまったその時に
朧気でも嬉しかった思い出を
それぞれが覚えていたら
素敵な愛を交わしたと
言えるのではないでしょうか
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『僕は駄目な奴だ』
部屋で呟いていたのを
聞いてしまった
誰を基準にして
あんなこと言ったの
付き合い長いのに
なかなか目が離せない
笑ったりなんてしないから
話して欲しい
そう思うのは
まだまだ
男心がわかってない証拠かしら
詩人:大示 | [投票][編集] |
息苦しくて目が覚めた
首にもこもこ
マフラーなんてしてたかな?
目線だけ下に動かし確認
ふるふる震える黒い子猫
わざわざ退かしてしまうのも勿体無い気がして
そのまま目を瞑った
小さな命がこんなにも暖かい
眠れない夜は
君のおかげで怖くなくなったよ
詩人:大示 | [投票][編集] |
愛していた
言えなかった最後の言葉
溶けゆく私の体
暖かい冬 憎らしい
初めて出会った枯れた桜の木の下で
あなたを待っていた
あぁ、どうか一目だけでも
せめて、あと一言だけ
狂い咲きの里桜
残雪(ざんせつ)の命を
抱きしめて
伝えるのは最後の想い
『あなたに会って愛を知りました
どうか幸せに』
ねぇ、叶うならば
あと少しだけ抱きしめて
もう溶けやしないから
このままで
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私は全て成し遂げた
カーテンコールが
響いているけれど
もう私の物語は終わったの
だから続きは書かない
あなたの物語はまだ続くみたい
汗と涙をインクに
指先をペンにして
生きた証を綴りなさい
最後に約束して
最終章は決して自分で書かないで
運命の時が綴ってくれるから
詩人:大示 | [投票][編集] |
さっきからケータイばかり見てる
堂々とその姿を
見せつけてるものだから
気になって仕方ない
珍しく笑ってるあなた
そんなに面白いメールが来たの?
嫉妬(3) 興味(7)で近寄った
突然のシャッター音
もしかして
シャッターチャンス待ちだった?
ケータイ越しに見つめあい
二人、笑った
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張り巡らされた糸
思いもよらないところにまで
それは繋がっている
下を向いて歩けば前が見えない
前を向けば足元を掬われる
まだるっこしいから
立派な羽根でもつけようか
罠を張り巡らしている誰かさん
あなたは、ずっと
其処でそうしているのですか
一人ぼっちの自分に
気づいていますか
詩人:大示 | [投票][編集] |
遊ぶ子供達から遠いベンチ
お母さんのお腹に
耳をあてている小さな子
『本当にいるの?』
その呟きに
新しい命の光を感じた
何にも染められていない
透明の命
どうか綺麗に染まってください
まだ光見ぬ君に、幸あれ