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大示の部屋  〜 新着順表示 〜


[103] わかりませんねぇ
詩人:大示 [投票][編集]


嫌い、だなんて

相手を知らない間は
言えるものじゃない

どんなに嫌いと唱えても
どこかで否定する自分がいる

あぁ、こんなことを言っている間は気になって仕方ないんだ

これも情かな、と
小さく苦笑した

2008/12/17 (Wed)

[102] カーミラ
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二人を引き裂く
残酷な光

沈黙の月世界だけが
私の居場所だというのに

夜咲く花は枯れ果て
この手の中で掠れた音をたてる

赤く甘い密
もう一度啜り唇を一舐め 虚ろなガラス玉に口付け


また今夜
太陽の裏側でお会いしましょう


もうすぐ手に入る

あなたの全てが
私の全てに

待ち遠しくて朝も眠れない

2008/12/17 (Wed)

[101] 三千世界の・・・
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プラチナに照らされて
きつい酒を飲む

汗ばんだ身体を夜気に晒して
君の黒髪を撫でた

少し開いた唇に艶を感じて
空を見る


『憎い朝を飛び越えて
夜に君を閉じ込めたい』


こんな勝手な願い事は
新月も叶えてはくれないだろう


夜空を見れば
月が笑っていた


新月まで、あと少し


2008/12/17 (Wed)

[100] 日だまりの公園
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遊ぶ子供達から遠いベンチ
お母さんのお腹に
耳をあてている小さな子

『本当にいるの?』

その呟きに
新しい命の光を感じた



何にも染められていない
透明の命

どうか綺麗に染まってください


まだ光見ぬ君に、幸あれ


2008/12/16 (Tue)

[99] 罠師の蜘蛛
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張り巡らされた糸

思いもよらないところにまで
それは繋がっている


下を向いて歩けば前が見えない
前を向けば足元を掬われる

まだるっこしいから
立派な羽根でもつけようか


罠を張り巡らしている誰かさん
あなたは、ずっと
其処でそうしているのですか


一人ぼっちの自分に
気づいていますか

2008/12/16 (Tue)

[98] 腹減った
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涼しげな切れ長の目

少し長めの前髪を
スラリとした指でかきあげる


眺めていたら耳元に囁いてきた



『     』


全く、なんて男かしら!


2008/12/16 (Tue)

[97] 気になります
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さっきからケータイばかり見てる

堂々とその姿を
見せつけてるものだから
気になって仕方ない

珍しく笑ってるあなた
そんなに面白いメールが来たの?

嫉妬(3) 興味(7)で近寄った


突然のシャッター音


もしかして
シャッターチャンス待ちだった?


ケータイ越しに見つめあい
二人、笑った


2008/12/16 (Tue)

[96] 最高傑作の物語
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私は全て成し遂げた

カーテンコールが
響いているけれど
もう私の物語は終わったの
だから続きは書かない


あなたの物語はまだ続くみたい
汗と涙をインクに
指先をペンにして
生きた証を綴りなさい


最後に約束して

最終章は決して自分で書かないで


運命の時が綴ってくれるから


2008/12/16 (Tue)

[95] 雪上臈(ユキジョウロウ)
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愛していた
言えなかった最後の言葉

溶けゆく私の体
暖かい冬 憎らしい

初めて出会った枯れた桜の木の下で
あなたを待っていた

あぁ、どうか一目だけでも
せめて、あと一言だけ



狂い咲きの里桜

残雪(ざんせつ)の命を
抱きしめて
伝えるのは最後の想い

『あなたに会って愛を知りました

どうか幸せに』


ねぇ、叶うならば
あと少しだけ抱きしめて
もう溶けやしないから
このままで


2008/12/16 (Tue)

[94] 睡眠薬いらず
詩人:大示 [投票][編集]


息苦しくて目が覚めた

首にもこもこ
マフラーなんてしてたかな?

目線だけ下に動かし確認


ふるふる震える黒い子猫

わざわざ退かしてしまうのも勿体無い気がして

そのまま目を瞑った

小さな命がこんなにも暖かい

眠れない夜は
君のおかげで怖くなくなったよ




2008/12/16 (Tue)
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