詩人:大示 | [投票][編集] |
『僕は駄目な奴だ』
部屋で呟いていたのを
聞いてしまった
誰を基準にして
あんなこと言ったの
付き合い長いのに
なかなか目が離せない
笑ったりなんてしないから
話して欲しい
そう思うのは
まだまだ
男心がわかってない証拠かしら
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見えないものだから
物足りない?
触れないから
贈った気がしない?
誰もいなくなってしまったその時に
朧気でも嬉しかった思い出を
それぞれが覚えていたら
素敵な愛を交わしたと
言えるのではないでしょうか
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古ぼけたメロディ
口笛と重なる
蘇るあの日々を
オルゴールに合わせて踊る
あの人はもう居ないから
物静かなところは、そっくりの
自分の影をパートナーに
三日月に照らされ
くるくる回るオルゴール
いつも一緒の陶器の人形
リタルダンドで止まるまで
私は眺めた
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消えて行く偽りの思い出は華やかに散らばって
真実の想いに癒されてく
今のこの時は何故か懐かしい
君の想いを忘れていたんだね
こんなに大きなものなのに
久しぶりに手を繋いで帰ろう
もう二度と見失わないように
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赤く染まった幻想的な部屋
遠慮がちな戸を叩く音が
現実を伝えた
突然の涙に焦り
必死にポーカーフェイス
らしくなく君を抱きしめた
顔が熱くなっていく自分を感じ
心の中で舌打ち
とりあえず夕焼けに感謝
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蜜柑色に染められた部屋
物悲しくなって
あなたの部屋をノックする
不思議そうな顔して開けてくれた
ちゃんとここに居てくれているんだと
ほっとして涙が出たの
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たった一つの歯車が
外れただけで
まるで駄目
ぎこちない笑い方
ぎこちない動き方
今まで在ったものを
無くしただけ
『愚かだね、解っていた筈だよ』
カラクリ人形が
無表情のまま笑った
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何も要らない生活
欲しがらない精神
最低限の物で満足したい
あなたが何も持たずに
旅をするように
好きなものが有りすぎて
動けない私は
置いてきぼりかしら
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『クローバー見つけた』
とても嬉しそうに見せてくれた
似ているけれど少し違うかな
『それはね・・・』
言いかけて口を閉じた
だって、こんなに嬉しそうなんだから
信じていれば
幸せも、きっとやって来る
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風に拐われた
ヒトヒラの命
手を伸ばし
虚空を掴んだ
すり抜けていった
水の命
呼び止める声も届かない
哀しみだけは
いつしか出会い
共に流れていく
水平線の向こうで
待っていてくれると信じて
今は瞳を閉じて