水鏡の中を覗いて溜め息を吐く
何故、私は私なんだろう
指で弾いても粉々に
滑稽になるだけ
満ち足りた顔して私の水瓶に
浮かんでいる銀色の皿
何も、のせられていない
空っぽの満月なら
涙を受け止められる?
流れるままに溢して
満月を揺らした
鏡像ほど虚しいものはない
解っているのに
声が、嗄れるまで
涙が水に戻るまで
哀しみに流された
水瓶の中身が増えて
少し塩辛く感じたのは
決して、嘘じゃない
生まれ変わった青空の支配者が
全てを照らすとき
私の水鏡は空気にとけていった
2009/01/28 (Wed)