ホーム > 詩人の部屋 > 大示の部屋 > いつか終わる苦しみ

大示の部屋


[176] いつか終わる苦しみ
詩人:大示 [投票][編集]


水鏡の中を覗いて溜め息を吐く
何故、私は私なんだろう


指で弾いても粉々に
滑稽になるだけ


満ち足りた顔して私の水瓶に
浮かんでいる銀色の皿


何も、のせられていない
空っぽの満月なら

涙を受け止められる?


流れるままに溢して
満月を揺らした

鏡像ほど虚しいものはない
解っているのに


声が、嗄れるまで
涙が水に戻るまで

哀しみに流された


水瓶の中身が増えて
少し塩辛く感じたのは
決して、嘘じゃない


生まれ変わった青空の支配者が
全てを照らすとき

私の水鏡は空気にとけていった


2009/01/28 (Wed)

前頁] [大示の部屋] [次頁

- 詩人の部屋 -