黒い静寂に、雫の呟き聞く人なく溶けていく幾星霜の涙、岩の牢獄に深い穴を穿った風が行き過ぎ、洞をくぐり強く慟哭させるざわめきが、こだまして深い青を揺らし明日へ会うこと無い、誰かに届き一滴の涙から全てが生まれ風に浚われて駆け巡る
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