彼は寂しかったのだろう彼自身は、それに気付いてはいなかったそして私も気付いていなかったのだたった独りで太陽を見てたった独りで月を見るそこには『おはよう』も 『おやすみ』も無いたった一つの言葉にどれほど癒されるか知らなすぎたのだそれが、あたりまえだった彼の寂しく冷たい常識は何年、何十年経とうとも私が責任を持って崩そう
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