ホーム > 詩人の部屋 > 大示の部屋 > そこにある奇跡

大示の部屋


[9] そこにある奇跡
詩人:大示 [投票][編集]


前を向いて真っ直ぐ立っていた一つの大きな花

フェンス越しに、こっそり見上げていた

早く君と同じ高さになりますように



雨に濡れて佇んでいる君は項垂れて寂しそうだった

手を伸ばし持っていた黄色い小さな傘を、どうぞ


季節の終わり
久しぶりに会いたくて
君がいるあの場所へ




憧れていた姿は無く
渡した傘に潰され・・・

頼りない小さな種達だけが遺されて


一握りの命

一粒の小さくて

なんて

なんて重い、大切な命



君の亡骸を埋めて

新しい命を埋めて

どうかまた、生まれて来てください

そしてまた、どうしようもないぐらいに憧れさせてください



誰もいなくなったフェンス越しに

夕日が沈んでいく




君も見ていたんだね

見つめ続けた憧れが消えゆき
そして、当たり前のように生まれてくる奇跡の瞬間を

2008/12/11 (Thu)

前頁] [大示の部屋] [次頁

- 詩人の部屋 -