詩人:山羊 | [投票][編集] |
貴方が嫌いです
激動変動衝突時代
寄生虫が蠢いた
見て視ぬフリの僕
最高の快楽は
底なし地獄の入口です
余分な贅肉削ぎ落とし
疲れ果てた顔で振り返る
嘘 偽善 裏切り
貴方が嫌いです
ただ前向きに
ただひたむきに
歩いていました
次は無いって言葉
何回言ったのだろう
一度失った信頼は
まるで深海に沈んだ船の様で
隣で笑う貴方が嫌いです
幸せの象徴の
青い鳥は
快晴の空に現れた
亡者の手に
捕らわれて
消えた
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太陽が呟いた
笑わないで欲しい
月が呟いた
泣かないで欲しい
シナリオはできていないけど
耳をすませば
聞こえてくる
目を閉じれば
軽やかに
枯れ葉達が奏でたワルツ
街に響けば
冬空が透き通った
枯れ木の下
立ち止まれば
君と歩いたあの頃へ
今だけ思い出の君を
見つめていたい
あぁ枯れ葉達の優しいワルツが聞こえて
君の姿が透き通ってゆく
ありがとう
さようなら
街は少し色彩帯びたみたい
また少し歩けそうだ
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下駄の音が懐かしい
開いた本に貴女の顔が浮かぶ
珍しく本を閉じる
夕餉の匂いと夕闇が混じれば
私の思いは隣街へ
貴女を今から迎えに行きたい
自転車に跨り
距離なんて感じないさ
貴女が好きだから
駄菓子屋の門を曲がれば見慣れた煉瓦塀
愛国心もあるけど
今は貴女しか見えません
窓の外は闇模様
貴女に逢いに行きたい
全ての不自由かなぐり捨て
自転車に飛び乗り
駆けて行くよ隣街まで
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街角に黒猫の影
金色の目が月を魅惑する
すり抜けた闇の隙間
聞こえる悩ましい吐息
屋根伝いに歩けば
まるで夜を支配した様
振り向いた夜の住人
月の魔力に犯されて
撃ち抜いた星の的
淫らに笑う麗しのジョーカー
今夜の悲劇の続きは
あの墓地の広場で
眠らないカラスに
逆さまの男
笑いかけた白と黒を
ベールに包んで幕引いて
撃ち抜いたランタンの灯り
嘲笑った淫らなジョーカー
撃ち抜いた星の的
黒猫は欠伸をして
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巡る風によせて
この風はあの人の街まで流れて行くかしら
枯れ葉を纏い
裸木の間を縫って
遠いあの人の街まで
もう逢えないから
もう連絡をとる手段も無いから
ここに綴る貴方への想い
情景
記憶を辿り
流れて行く情景
いつか忘れてしまうのかな
記憶の情景
巡る風によせて
また逢える日まで
二人に吹いた風に
また出逢える日まで
遠い遠い
街の片隅から
もう逢えない君へ
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病室の窓から
雨が落ちる煉瓦歩道へ
星の線路ができた夜
風力発電の風車の丘
背中張り詰めた猫
閉ざしていたパズルの一部
わかるのはあの古い曲
あの家のピアノで
もう燃えてしまったけど
悲しい顔してるね
僕は何ともない
本当さ
無くしたものは無かったよ
気のききすぎた台詞
あの部屋で
もう思い出せないけど
わかってるのは
風車の存在感と猫の存在感
それだけ
いまでも鮮明に
閉ざしていた宝箱
鍵なんて
首にぶら下がってるよ
ほら 子供じゃあるまいし
一人で外せる
病室の窓叩く雨
やけに大きく聞こえる
やけに大きく
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愛の始まりは突然で
別れの到来も突然で
何が悪いとか
誰が悪いとか
言い合いはきりが無いよね
さようなら
別れない
手を繋いでた二人の
面影はない
もう終わりなの
認めない
笑いあった二人には試練が重すぎて
何がきっかけとか
何が気に入らないとか
言い出したらきりがない
さようなら
別れない
愛が憎しみに変わる瞬間がある
もう合わない
電話出なよ
愛の深さがありすぎて
二人を引き裂いた
残酷に
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ヘッドホンから流れる歌に合わせて踊る
この世界なんてスッとべば良いって言ってたアイツ
いなくなっちまった
たしかに
言うことは正しい
だけど残されたあの犬はどうする?
可哀想な犬のイレナ
今夜もアイツの帰り待ってる
優しい目のイレナ
早く帰ってきてやれよ
なぁ
月に願い事ってきくかな?教えてよ
穴ぐらの熊だって
月くらい見るだろ?
早く帰ってこいよ
可哀想な犬のイレナ
夜は寒いから小屋に入りな
優しい目のイレナ
また外で寝てる
星の下のイレナ
早く帰ってきてやれよ
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君の手を握っている僕の手は何て汚いんだろう
神様
もう離さないと駄目なの?
汚い手だもんね
あのね
この世界の何処かに虹の国があって
無くした全てがあって
もう会えない人達がいるんだよ
そうだよね、神様
何一つ無駄な事なんて無いんだ
僕はこんなに汚れてしまったけど
ねぇ
黙ってないで
何か言ってよ
神様
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商店街を駆け抜けた風
一抹の不安を覚える
野良猫の欠伸
色彩を欠いた街並み
トランペット吹きが赤レンガを積み重ねる
まるで自分の罪を恥じるかの様
散りゆく葉は
足跡を覆い隠す
無くした目印
後戻りできない
回りゆく世界
止められない崩壊
今の僕には
舞う落ち葉さえ捕まえられず
ねぇ この道の先は何処に続いているのかな?
今と言う柵を超える勇気が欲しい
夜が怖いんだ
朝が嫌いなんだ
僕が嫌いなんだ
何を標に歩けば良い?
問いかけても
ただ落ち葉は
崩れる世界の様に
儚く舞って