詩人:山羊 | [投票][編集] |
君の来なくなった部屋へ
月並みだけど
寂しくなったな
月並みだけど
何であの時気付かなかったのかな
君の優しさに包まれてるのを良い事に
裏切りで切り裂き続けた
最低だ
ほんと最低だ
クマの絵が描いてある紙袋に
君からの手紙が入っている
今読むと
あの時に気付かなかった優しさ愛情が詰まっているのに気づいた
今読むと
真剣に愛してくれた君の泣き笑いが浮かんだ
裏切り続けた
最低な男の目に
涙が浮かんだ
君はもう
帰ってこない
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つけたテレビでは
悲惨なニュース
電車のダイヤル遅れ
大袈裟に話すキャスター
今日も弱に群がる強の世界
辻風吹いて泣き声消した
国道
路肩の猫の轢き逃げ死体
遠くに見える摩天楼が
あまりに対照的で
涙も出ない自分に
そばを猛スピードで駆け抜けた車が嘲笑った
ブラウン管から流れる事件と
何が違うのか
今日も空は快晴
泣き顔など有り得ないかのよう
無意識に耳を塞いでる僕に
お前も同じだよ
木陰の雀達が吐き捨てた
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都会の中泳ぎ疲れて
辿り着いた君に
僕は今まで
何をしてあげれたかな
人生列車で
すれ違った君を忘れられないだけさ
ただ人生列車に
思い出の詰まったトランクを忘れてしまっただけなのに
都会の波にのまれて
溺れた僕に
手を伸ばしてくれたのは君だけだったのに
人生列車に乗って
いなくなった君に
今更だけど
愛した記憶の
トランクは捨てないで
ただ人生列車は
二人の思い出を乗せて
走り行くだけさ
都会の海は混沌
泳ぎ疲れた僕は・・
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ハイカラな街
排ガス吸ってリフレイン
幾何学的な街
排気音聞いてリピート
背中合わせの君と僕
唐草模様の君の心
斑尾模様の僕の心
この都で出会った二人
まるで正反対の二人
日差しを避けた瓦礫街
寄り添う君を
邪険にはねのけた
僕の影が伸びて歪んだ
グニャリと
季節は虚ろって
二人を迷路に誘った
身震いを覚えた踏切
立ち止まる二人の前
列車が通り過ぎる
いつから
いつからこんな関係になってしまったのか
呼吸が苦しくなり
仰いだ太陽
ギラついた
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夢の続きを知る事ができる図書館は
あの路地を曲がればすぐ
私の足は夢うつつ
果てしない道のり
夢の続きを知る事ができる図書館は
あの並木道の先
私の瞳は夢のほとり
果てのない想い
人気の無いホール
幻が踊る
ピアノは懐かしいワルツ
壁の絵画が微笑む
夢の続き
また無限の回路へ
夢の中へ
目覚めれば一夜の幻
無人の回路
埃まみれのピアノ
蜘蛛の巣だらけの絵画
夢から覚めてしまえば
夢から覚めてしまえば
一時の幻
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バスの車窓から見た景色はどことなく悲しげ
いつか辿り着くと信じた天国はまた遠くなった
同じ言葉なら聞き飽きたから
頭ひねって違う言葉
夜の魔法のせいにしてもやきもき降り積もる
空を滑る飛行機雲に笑顔を写して
おいてけぼりの毎日だけど
また笑う明日
雲が低い日には
雲に飛び乗って
ゆっくり休みたい
街を見下ろしてまた空を見上げて
隣に君がいたら
隣に君がいたなら
言うことないな
ほらまた秘密のまま
そんなのやめてさ
そんな難しい顔してないでさ
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その犬は汚れていた
その犬は足が不自由だった
その人間は不自由が無かった
ただ何かがその人間を責めた
苦しい 逃れられない重圧
その犬は何をもって生きているのか?
頭を撫でられる為か?
餌をもらう為か?
その足に枷は無いのか?
その人間には
いや俺には枷がある
何重にも何重にも
空なんて飛べないさ
その犬が戦ってた
自分の全てを守るため
命懸けで
俺には無い姿だ
考えられない
ただ何だろう
何で諦めないのか
おい
起き上がって教えてくれ
生きる意味を
戦う意味を
その犬
瞳はいつも空を見てた
遠い大きな空
昼も夜も
夜は瞳が星で輝いてた
いつも空を
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鴉が鳴く頃に
薄暗い道を帰りゆく
なんだろう この切迫感は?
街灯が灯り始め
歩道橋がそそり立つ
さぁ 孤独の心を掲げて空っぽの家に足を踏み出そう
その影は聖者の行進の様に
角を曲がるとあの犬が吠えている
虚脱感と諦めが混じった横目を流す
さぁ灯りの無い部屋に入ろう
それが全てじゃないか
すれが全てなんだよ
私の心が投じた
いくつかの悲しい影が
月明かりに揺れて
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表通りは か細い雨に濡れている
光りが灯れば 幻想的な色合いを見せる
私は ここで動けずに 愚者の体たらく
あの光りのパレードを抜けたなら
どんな場所に行けるのかな?
ずっと一緒にいると言った君は
この霧雨の向こうで 知らない誰かに微笑んで
二人で 見ていた幻は きっと本当に幻だった
このか細い光りは あの頃の二人を繋いでた脆い光り
何度も幻惑を見せるこの霧雨に
何度も君を見ようとするけれど
それは 本当の君では無く
あぁ それは 霧雨の幻
表通り
華やかな傘の舞踏会と
車のオーケストラが響いて
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もうどれくらい 離れてしまっただろう
ただ 前を進んだ僕等は ただ流されていた
もうどれくらい 大切な物を失くしただろう
些細な事で一喜一憂したあの頃
忘れかけていた 大切な事
過去の墓標が 草原に立ち尽くす
それは 私を形成するいくつかのページ
泣き笑いしている 貴方が
まだ記憶の片隅で私を 責める
あの頃に戻りたい
願いは遠くに あの空の先へ
もうどれくらい 戻れない場所に来たのだろう
今頃 あの人は何をしているか・・・
私を覚えているのか・・・
否
覚えていないだろう
私たちは 散り散りになってしまって
あの草原に戻るのは
過去の墓標に立ち尽くして 現実から逃げたいだけ
今 また