詩人:尻尾まであんこが詰まってるたい焼き | [投票][編集] |
ホームに溢れる
人々の中に
背広姿の痩せこけた男性
丸まった背中からなぜか目が離せない
今にも消えてしまいそうな
そんな雰囲気をまとっている
僕はなんとなく
心配になっていつも改札を出るまで
付き添うように見つめていた
名前も知らない 住所も知らない
好きなものも嫌いなものも
知っているのはいつもあなたが
僕と同じ電車を利用していること
血の繋がりもないどんな声だとか
服の趣味も得意不得意も
わかっているのはなんとなくどこか
僕と似ている背中をしていること。
[前頁] [尻尾まであんこが詰まってるたい焼きの部屋] [次頁]
- 詩人の部屋 -