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尻尾まであんこが詰まってるたい焼きの部屋


[472] 寂しさに灯る明かり
詩人:尻尾まであんこが詰まってるたい焼き [投票][編集]


孤独に気づいたその日
僕は人混みにいても
寂しさを拭えなくなった

誰からも愛されず
誰を愛することもない
毎日は生きる意味があるのかな

とりあえず靴を履いたけど
行きたい場所も会いたい人もいない

友や恋人を必要としなくても
人から生まれた僕はどうしようもなく
人並みに寂しくなり悲しくなる
孤独を選んで生きるには
あまりに僕はちっぽけ過ぎる

きれいごとばかり
聞こえてくる
耳を塞いでも
理想ばかりの街

ポケットの中には
しわくちゃの煙草が一本
まるで僕のようだ

父と母が産まれたばかりの
僕に名前をつけて呼んだ日
きっと一生分の幸せをもらった
これ以上何を欲しがるんだろう
あまりに僕は贅沢すぎる

消えかけた街灯の明かりによく似た
寂しさにそっと灯る明かりがひとつ
愛された記憶だけが僕の存在を
認め生きろと言ってくれる。





2019/05/31 (Fri)

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