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カタリナの部屋


[55] 戦火の便り
詩人:カタリナ [投票][編集]


戦争のない国にも 平和を脅かす人はごまんといる
殺意がもしも目に見えたとしたら
生きるのも嫌になるくらい
人を信じられなくなるだろう

疲れたような眼差しの先に
咲いた可憐な花に愛を教えられ
いつか不要だと捨てた良心をすんでのところで取り戻す

海と陸を隔てた遠い国では
人が毎日それこそ当然のように死んでいる
それでも銃を持たず
かわりに絵筆を持って
画用紙に空や海の絵を描く
優しい笑顔の年老いた画家がいる
あなたの描く絵はまるで最後に残された希望の光だ

戦争の悲惨さばかりが伝わって
後世の人たちに平和のあり方が伝わらない
僕の好きなお祖父ちゃんは
自身の戦争体験を交えて話す

B29が空を飛び空襲警報が鳴り
防空壕に身を潜め震えたあの日
伝えたいことは恐怖よりむしろ今は人間の愚かさだ

僕のお祖父ちゃんはあの日のことを
無意味だとは絶対に言わない
その理由を僕はなんとなくわかった
私たちの経験が無意味にしないためには
若いお前たちのこれからの生き方にかかってる
お祖父ちゃんの目がそういってる気がしたから

縁側でひたすら絵筆でふるい
パレットに絵の具をとき絵を描く
あなたは戦争から生き残った
自分をけっして称えることはない
だけどあなたは間違えなく生きる平和のシンボルだ

僕のお祖父ちゃんはあの日のことを
無意味だとは絶対に言わない
その理由を僕はなんとなくわかった
私たちの経験が無意味にしないためには
若いお前たちのこれからの生き方にかかってる
お祖父ちゃんの目がそういってる気がしたから。





2018/07/01 (Sun)

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