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尻尾まであんこが詰まってるたい焼きの部屋


[65] ノーサイド
詩人:尻尾まであんこが詰まってるたい焼き [投票][編集]


気泡のように生まれる 小さな
苛立ちを片付けて
あまりの暑さに
僕は役立たずになる
クーラの効いた部屋から
抜け出せず買い物も行かず
冷蔵庫を空にした

サイダーの刺激と舌に残る
かすかな甘味で思い出す
くだらない事件の顛末を

呼吸するように呼応するように
彼らはただ空を見上げる
目を凝らさなくては見えない光

当たり前なものほど
不思議なくらいそばにいて
気づくとどこにもいない

風は街から街へ渡り移ろう
まるで足でもあるように
慣れ親しんだ暑ささえ

知らんぷりして消えてしまう
そこにわずかながら切なさがあるなら
僕は声もたてず泣くけれど
泣いたところでまた暦が変われば

同じ季節が巡って空を見上げて
いつか、抱いた思いのままで
悲しいだとか嬉しいだとか
思うのだろうと 言いかけて
夢のまにまに忘れていく。

2018/07/11 (Wed)

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