詩人:戚龍 嶺 | [投票][得票][編集] |
愛しています…
これが彼女に言った最後の言葉でした。
ある、梅雨の季節。
僕はいつものように彼女と湖で待ち合わせをした。
だって、今日は彼女の誕生日だったんだ。
僕の右手には、彼女に贈る一つのプレゼントと手紙。
早く来ないかな?と待ちどうしくなる僕の心。
どんな顔をするんだろう…とワクワクする僕の心。
僕の頭の中は彼女でいっぱいだった。
でも、その時だった。
僕の腹部にナイフが刺さっていた…。
僕を抱きかかえ、泣き叫ぶ彼女。
僕は血まみれの手で彼女の涙をふいてあげた。
そして…プレゼントと血で染まった手紙を渡した。
(僕は…君と…いて、幸せでした…。愛しているよ…)
これが僕の彼女に言った最後の言葉。
あれから2年がたった。
深い、ため息をして湖を見つめる一人の女性。
そう、僕が心から愛した一人の女性だ。
彼女は湖を見つめながら…こう言った。
(私も…愛しています。たくさんの思い出、愛をありがとう…。いつか、再び会える日を待っています。ずっと、ずっと…。)
彼女の左手の薬指には僕が贈った婚約指輪がキラキラと輝いていた。
そして、右手には僕と彼女の子供が一緒に湖を眺めていた。
愛しています