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瀬戸 結城の部屋  〜 投稿順表示 〜


[1] 夢であって、ほしい。
詩人:瀬戸 結城 [投票][編集]

僕が君に気付いたとき

僕の目は光を失っていた。


僕が君を見ることが出来なくなったとき

僕は両腕を失っていた。


僕が君に触れられなくなったとき

僕は声を失っていた。


僕が君の名を呼べなくなったとき

僕は音を失っていた。


僕が君の声を聞けなくなったとき

僕は両足を失っていた。




“僕”が“僕”を失ったことに気付いたとき。


僕は全てを失っていた。




君の声を聞くことも、

君の姿を見ることも、


君に触れる事さえ、もう叶わない。



僕を失った僕から、君まで奪わないで

それを僕に気付かせないで

もう、解かりたくないんだ。




「君を、失った。」




それは嘘ではなく本当で。

でもそれを受け入れられるほど、

僕にはもう残っていない。





お願いだから

お願いだから




お願い、だから







どうか夢なら、覚めて。


2009/07/11 (Sat)

[2] トランクの中、僕と君。
詩人:瀬戸 結城 [投票][編集]



可愛い君
綺麗な君
静かな君
優しい君
笑ってる君
怒ってる君
泣いてる君


ぜんぶぜんぶ大好きで、
ぜんぶぜんぶ愛してる。

だから手に入れたい。


すきだから
だいすきだから
あいしてるから



でも届かない
触れない
聞けない
見れない


大好きだけど、手に入らない。





手に入らないのなら、




全部の君、バらバらにしてトランクに詰めよう


トランクに大好きな君を詰めておけば

いつでも会える。
いつでも見れる。
いつでも触れる。


でも、それだけじゃたりない。

一緒に詰めよう  僕を。



君と僕、ばラばラにして



ぐちゃぐちゃ
ぐちゃぐちゃ
ぐちゃくちゃ

ぐちゃぐちゃと、

掻き混ぜれば。


僕たちという2つは1つになる。



僕と君の2つを1つのトランクに詰めて

僕たち1つトランクの中。






残ったのは、赤いトランク。






ぽたり、と


トランクから1つ、零れ落ちた。









トランクの中、僕と君。



1つから零れたのは僕か、君か。




詰めすぎた愛は零れ落ちて、離れ離れに。

2009/07/12 (Sun)

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