詩人:旅人モドキ(左利き) | [投票][編集] |
青銅は微光を放ち
怪しく浮かびあがる 突き刺さるほどの眼差しと 宙を舞うような空耳で
おれは威圧されて足がすくむ 聖獣が猛り狂いながら
雷を響きわたらせ 稲妻で夜がまたたくのか おれを脅かす幻影は
竜の仮面で襲いかかり 三つの星をうずたかく覆ってしまい惑わせて
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虫や魚群や 島民さえも影を潜めるとき おれは岩窟で寝転がり肉に手をつけるんだ
椰子の葉そよぐ大地に包まれながら 焦げるほどの極暑で乾ききった昼だ
あの淀んだ水たまり 悲鳴をあげる葦原 荒れ果てた平野 澄みわたる青天のもとで食らう
袋をほどき骨までしゃぶるのは 旨みをたっぷり含んだ 期待どおりに血をたぎらせる活力の源
おれはこうして共同体から 落ちこぼれるんだ そのうちに島への光が閉ざされ 闇におおわれる
沈む心 底なし沼 舟と櫂 もしくは昼の花火だったり いくつもの集会所だったり
巨像の残骸は土にうずもれ 島が海からの波しぶきで 砂浜のあたりを潮でぬらされる
ただ精魂や 鳥の卵を獲る者が復活しようとも おれが思うに 食は究極の惑わしと言えよう
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夕やみが迫れば きみはその足で歩くのか
青と白とが 混じりあう大河で 麦を培う土壌を
星の数多に瞬くまで 太陽の輝きを反射する
金字塔が築かれる全容を きみは傍らで観察したのか その悠久な歩く目で
砂丘に埋もれてゆく 生命を象る本質を尋ねて
朝は四本足 昼は二本足 夜は三本足で歩く
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レインボウの架かる朝は きみが新たな小舟を漕ぎ始めて
つまんない日常をしばし忘れるひと時
初めての物語へと開かれた 波止場から沖合を望めば
たった独りで大魚を狙う老人と海がある世界
ピンチに襲われながら死闘を制するが 獲物をことごとく鮫に奪われて
しょっぱい顔をして挫折を味わった帰途
無謀で血なまぐさい失敗談だって きみの旅心をくすぐる逸話となる
にわか雨がやめば暑気ばらいに鰻をほおばる昼食
チョコレイトは真夏の陽ざしで蕩けた そういえば烏が四羽で舞ってたっけ
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くもは ないみたいだ これならながれぼしをみつけられるよ
ねえ ペルセウスってどこ オリオンならすぐにわかるんだけど ほらあっち
たしか あそこらへんかなあ きたからひがしのそらにでるらしいよ
なんだかわくわくするね ふたりきりでよぞらをみてさ ねがいごとのためにまつって
いやほんと どきどきしっぱなしだよ こっちのおもいどおりにならないし
そうなんだよね あっ いまながれたんじゃない ちゃんとみてたの
もちろん けっこうながいことながれてたなあ
それでさ ねがいごとはまにあった
まにあわなかったよ もうすこしじかんがあればなあ
そういえば はやぶさがなんとかって いってなかった
ああ なんかイオンエンジンがすごいとか キセノンをふんしゃするとき マイクロはをつかうって
ぜんぜんわかんないんだけど またしったかぶりじゃない
そろそろかえろうか あしたはやいんだし
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コップのなかの嵐につきあってる暇ねえんだよ
菅笠かぶって雨やどりなんて決めこんでも 鳩がピストル食らっちまい沢が氾濫してんだ
谷でつったちゲリラ豪雨あたってる仙人が 顔ほころばす紅蓮の咲く源泉であったまりゃ
丸だしでぬるま湯につかるとは青天の霹靂だなあ
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本場に立ち向かうきみ達が
みなぎる自信を ほとばしる力に変えて
輝きをいかんなく放つ
そびえる頂点を しっかり踏み締めようと
激しくぶつかって競い合う
あの感動を越え たくましい成長を遂げれば
打たれ強さもつかんで
きみ達はともに ひたすら腕を磨きどまんなかを貫く
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さっそうとエコが現れた
七つの海で珊瑚が殖えると
ごみの山が埋蔵金になった
ぐるぐると渦を巻いてエコが現れた
世間にもてはやされるエコ
自然を救い上げて 生命を近寄らせるエコが現れた
エコ贔屓かい
おれを捕らえろ おれを捕まえろ
おれはエコの獲物で エコはおれの狩人だから
鳴り響かせろ 撃ち込んでみろ
傲慢さを注入しろ 有頂天になる病を発生させろ
麻酔銃をちらつかせエコが現れた
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とある波止場で はるかな星に見とれ
ほのめく朝なぎを心待ちにしよう
ぬれ渡る海原を ちっぽけな灯台が照らして
きらきら光が波打つから
まだ帆船は がっちりと港に係留してある
やがて水平線の向こうで遭遇したら
どうするか考えてみる まるで突風みたいな
あてどない出会いと別れさえ
きっと原動力だから しっかりと帆を張ろう
だだっ広い大洋に浮かぶ宝物を
すっぱだかで喜べる さすらい人であれ
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きみを一息に飲みほしたいと思う
高みを目指して真っしぐらに進む
きみは大口を叩く泣き虫だけれど
二番煎じを厭がる負けん気は強い
きみの夢にこだわり過ぎるあまり
失敗を省みない言動に興ざめする
きみが何だか甘ったるい焙じ茶で
雁ヶ音を入れても濁って見えるの