詩人:旅人モドキ(左利き) | [投票][編集] |
自らの重荷で精一杯なんだぞ
もう少し負担しろとは暴言だ
当の本人だけ例外って多いな
ある音楽家が説教はだめだと
矛盾してる話だって気付かん
まずい空気か何か知らないが
張るんなら欲とか意地だろう
それこそ大人しく居座ったら
調子に乗って何の断りもなく
レッテルなんか張りやがって
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おれは観念した 儀式は暴かれ
人生を脅かす 武器を棄てても
とどめまで刺せず ひび割れた
帰郷が始まる もう欺かれるな
コトバなら闘えるのか
身を翻す亡者よ にじむ鮮血で
気休めの 楽園への夢に幻滅し
矛盾を認めた時 重低音うなる
だれに託す それは妥協の産物
おれの無謀な企み 冷淡な故に
狂おしい刃で おれの心奥から
裏切った 熱烈さの塊を以ても
ハダカを脱ぎ捨てたい
おれの過敏さが かつて愛した
罪の断末魔に 永遠を絶つのは
不可能か 副葬品など要らない
虚飾なんだ 偽の仮面も悲しい
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コロンブスの卵を食べてみる
なかなか殻が割れなくってさ
頭に思いっきしぶつけてんだ
そうすりゃサプライズも頂く
黄身がふたつ入ってる風だが
どうも片方は青みがかってる
磨く前のサファイアみたいで
この期に及んで惜しくなるも
迷いなど捨て去り丸飲みだぜ
いわゆるサフランっぽい味に
心も体もとろけちゃうんだな
もう一瞬のときめきを満喫よ
コロンブスの卵を見つけたら
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夏いちばんに胸を焦がす
きらめく月の光が照らす
高鳴る鼓動が心も酔わす
忘れられぬ音楽の満たす
ゆらめく波で頭を冷やす
奔放なる響きのもたらす
恋してる人が突然に宿す
ときめく想いを持て余す
危なっかしさなど裏返す
言葉が刺さり目を覚ます
五色の短冊に願いを托す
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スリリング月夜に果てる
とある島にて波が交じりあい ちっぽけな泡となるのさ
そこで裏と表がひっくり返って
まんべんなく広がる流れが ぎゅっと一点にちぢこまる
だけど泡はまだ波うっていて
その内なる振動こそ 世界をつかさどる秘密なんだ
なまぬるいなぞときめ
ことごとく共有するがゆえに 胸が激しくかきみだされ
ぐるっと壁で囲うほかなかった
ぽっかり開いた穴には 声も届かず心がからになる
それでも強引につめこもう
とめどない情熱のうずが 青い炎となり光りだす
たかまるおもいをもやせ
はるか遠くにて輝ける ずばり姫になぞらえた星よ
まるで恋心による結晶だから
うかつな計略では壊せない されど高度な駆けひきならば
きっと何者にも負ける気がしないね
そんな根拠のない自信もわいてくる 今宵は夏に酔いしれようか
ダイナミック叫ぶがタイムアップだな
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めっきされた金属が門扉の外でつややかで
枝折り代わりの押し花やら五色の短冊やら
陽射しを浴びて露呈するは
色素が沈着した小麦色の肌だ
何事も面白くもあり詰まらなくもあり
生態系の及ぼす微妙な釣り合いを見習え
騒がしい暴風雨に閉じこめられ
願いも虚しく後悔ばかりが募る
海は閑をもてあそぶ風とともに
幻に浮かぶ群像劇の歩調に溶け合え
扉の外では軽やかで伸びやかで
青雲の色である鋼鉄の志
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星を待ってるの
その瞬きが涙も照らすはずなの
きっと胸に宿る苦しみだって癒すの
まだ明けない夜にそっと包まれてみるの
もっと人の痛みを思いやれる心こそ持ちたいの
ほら丸っこい月が優しく語りだすの
やっと暑すぎる夏の熱も届くの
ただ朝が近いと知って惑うの
星を待ってるの
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黄金の魔球を投げ込んでも 失策を招いたら台無しなんだ
桃源郷まで歩みを進めても 花も実も無いなら凡退なんだ
緑藻として海など漂っても 泡を食ったら根無し草なんだ
赤道さえ越えて飛躍しても 無理に盾突くなら降板なんだ
紫外線は敬遠で先送りでも 冷や水を浴びたら無情なんだ
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もう星を演じるのにも疲れちゃってさ
そろそろ幕など引こうかと考えたんだ
光なんて放っていやしない者であると
あっさり認めるならば気が晴れるはず
そんな安っぽいずる賢さも持ちながら
夢うつつな世の騒がしさから逃げ出せ
もしも抜け駆けだと後ろ指さされても
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まっ白な馬を見にいこう
いつまでも丘にて寝そべる怠惰な巨体を はるか遠くから見つめては物思いにふけろう
いい加減に独り立ちしなさいと諭したって まさしく馬耳東風でぴくりとも身動きは無さそう
ちっとも笑えない毒舌を吐きまくる輩に びしっと完敗など突きつけてから乾杯しよう
まっ白な馬を見にゆこう