詩人:旅人モドキ(左利き) | [投票][編集] |
出ずる雲よ
幸せを求める魂も 包み込んで進もう
峠の辺りに立って 誇り高く生きよう
渦を巻いて暴れる 風かつ雨に挑もう
心の熱さも伝えて 密かに割を食おう
酸いも甘いも知り 苦い涙も味わおう
荒れ狂う面ならば 切り離して置こう
幽かなる世を司り 海にて蛇と化そう
大いなる社よ
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今の感情をしみじみと飲みこめば 悔し涙の味わいに触れ舌なめずり
誰彼かまわず辛苦も吐露するのを 何食わぬ顔で非情だと痛めつける
淡く吹く流れに乗れる渡り鳥たち 山並は波打って着せるは濡れぎぬ
気味が悪いほどの愛に萌える若芽 秋に飽きて呆れるなら商いに悩む
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皮切りだったら電波を放ち送る局で
いわゆる道化者として暗躍などして
年明け以来遠ざかると敷居が高くて
うっかり酒に飲まれる酔っぱらいで
人波から乗り遅れるおれはうかつで
かぼちゃの灯が揺れ仮面もかぶって
筋を通して一筆書きつづりたくって
おまじないが効きすぎちゃった件で
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絶え間ない拍手が重なる
桜と紅葉が色とりどりに同居する
公の場で野心が露わになる
図らずも油断して下克上を表明する
焦りと不安で舌がもつれる
恋だの愛だの能弁に語りたがる
人の情けをも活用して操る
行き当たりばったりにも程がある
絶え間ない残響が聞こえる
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奇妙な寸劇
何度もしっぽを出しているのに
ちっともつかんでもらえやしない
能が無いのか気力が失せたのか
どちらにも取れるんだけれど
結論はもう少し先送りして
いわゆる帰らぬ人のめくるめく
役者としての生き様をしめくくる
ささやかなつながりもつむいで
静かな伝説
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舞い上がれハヤブサの翼
大地にうごめく情念の渦など
振り払って軌道を描き出せ
闇の彼方に待ち受ける輝きとは
予測や計算を超える未知への扉
閉じ込められた謎ごとこじ開けて
美酒よりも心を酔わす発見が
遠く離れた宇宙に眠ると閃けば
臆病なライオンが隠す爪と牙
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とある建物の最上階にきみは巣くう
すぐ下の階には年配のカップルがいて 後から入ってきたくせに我がもの顔で
こっちが居候している気分になって
ふざけんなって言いたいのを抑えて 心など読みきると言葉の刃で突き刺す
どうやら効果を及ぼしたと思われ
いちいち口うるさいノイズが除去され 宿の主へ向けた毒舌もひっこ抜かれ
ひとまず居心地は持ち直したと感じる
きみは目と鼻の先で続く工事を見つめ 潮時が近いのではと考えはじめ
これからの進路について答えを求め
ただピンチから脱却すると集中力も高め 巧妙なる網の目を瞬時にかいくぐる
とりあえず面白い方向へ駆け抜け
いかなる荒波や渦がきみをさまたげ 行く手に立ちはだかったって騒げ
がむしゃらに舟をこぎ新大陸に着け
すかさずチャンスを捕まえに行け 夢想ごと膨らませて夜へ飛び乗って
きみは明日へ続く道を踏みしめる
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おれの作ったポエムの価値なんて
ちゃんと認める人などいないんだ
世界は情報で満ちても海の彼方に
くっきり見える表舞台がまばゆい
祝杯を上げる宴が果てても海原は
なぜに慌ただしく波風など立てる
音のシグナルに耳をそばだてつつ
おれも常識ごとスパークするまで
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ほんのわずかな革命へと導いてくれた
きみも抱えているはずの欠落感を
たとえ邪道であろうとも充たしたくて
うっかり怪文書など送ってしまう
その笑顔の奥にある憂いまで共有でも
きっと練った暗号は読み解けまい
これから寝ても覚めても妄想にふけり
ともに熱情を奏でては恋も織れる
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酒蔵にて修業を積む
きみの努力がつむぐ糸で
結ばれてゆく数多の星たちよ
ずっしりと重なる雪だって踏みしめ
足跡など刻みつける旅路も
あてどなく苦と楽の狭間でさすらう
涙はとうの昔に果てたと思いきや
こみ上げてくる感情があふれ出して
銀世界の終わりなら心の底から酔おう