詩人:旅人モドキ(左利き) | [投票][編集] |
雪とペンギンをばかでかい切り株の前で
とある物語の上にかぶせてみる
この状況が不詳なのは作者にも似て
わざと姫さえ言葉で飾り立てる
どうやら千年先までも計算済みで
あえて名を伏せながら筆を執る
その心意気には脱帽してもとまどって
うっかり横に方位磁針を添える
雪とペンギンもばかでかい切り株の前で
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ピエロがまん丸な玉を口から出したよ
そしたら舞台がまっ暗になっちゃった
ぼんやり考えてたら芝居は終わってた
シャボン玉をおれは吹き出してみたよ
だけどシャボンはとってもまずかった
やっぱり甘い風船ガムをふくらました
ガムだってめいっぱい大きくなったよ
なんだか舞台に立ってるつもりだった
だから夢中になって風船を吹き出した
チャイムが鳴ったのも忘れちゃったよ
みんなが下校したと暗くなって知った
おれは舌をぺろっと突き出しおどけた
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群れ集う星をそっと抱きすくめれば
遠ざかって行く微かな歌声に きみは耳を澄まして聴きほれる
冬の大三角が頭上でまたたくから
銀河の片隅に浮かべる小舟も揺られ きみの胸が高鳴る鼓動と酔いしれる
波の彼方でぼんやりと見える雲には
巣穴があって幾つもの卵を包み きみも知らない秘密まで封じ込める
宇宙に始まりや終わりなど無いんだ
膨らんでは縮まるのを繰り返して きみと同じく流浪の旅を続ける
転がりそうに旋回する風車に過ぎない
筋道を通している様な理論だけれど きみを縛り付ける疑念が惑わせる
問い掛ける意味とは何だろう
答えを探求してしまう心の不可解さに きみへ届く光と思考力がにらめっこする
究極に磨き抜かれた才能を駆使して
月が粉雪となって砕け散るかのごとき空と きみが明かす物語で夜更かしをする
徒労に感じるほどの時間を費やしっぱなし
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大きくって立派な橋
軽やかに渡って行く人
おれの胸をも突っ切る風
儚さに陶酔し狂っている夜
嘘にまみれて散ってしまう恋
おれの皮膚にじっとり垂れる雨
欠けては現れる満月を匿ったら闇
悩ましい心にそっと射し込むのは光
おれの唇を奪って吸い尽くす妖艶な影
遠ざかる意識の中で膨らんでる妄想の旅
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すきとおるのだ
ふしあわせなんてだじゃれをいわれても ちっともこころにひびかないっていうのに
へたにうられたけんかをかって あいのりしてしまったりするから なんでもかえればいいなんてほらが
まかりとおるのだ
てのひらをかえしたかのように うごうのしゅうとかしてすりよれば
かちうまにあやかりたがる いやらしさがすけてみえては うそつきがえらくなるとおもい
しみとおるのだ
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カヴァのせいだってば
眩しすぎる きみを直視できないのは
鳴き沙にさえ戯れてしまうから
眠れる獅子をも きみが起こしちゃうんだ
芭蕉布を腰にまとってさ
謎めいた虚像に対してさえ きみの想いは膨らんで馳せるのか
頬を染めた温もりが伝うのかな
蜃気楼の涕で零れるメロディ きみも肌理が細かな妖精のまんま
きみは絶え間なくうねる宇宙の渚
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卵
おれを捕らえて放さない
糸
ただ真っすぐに突き進んで
道
おれの行く手に垂れ込めるは
雲
また痛みに刺し貫かれても
胸
おれが持つのを忘れると
傘
やや荒くなり図らずも弾み
息
おれに降り懸かって踊り出す
雨
はや過ぎ去ろうとも刻まれ
時
おれと卵が立ってしまいそうだ
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うっすら明るい白銀の丘 芙蓉の花は鮮やかに耀いて浮かぶ
忙しなく鶉が翼をはためく姿 慌ただしく旋回しながら宙を舞う
丘の稜線に沿って揺らめく様 狭苦しさと戯れては迷宮でもがく
空を眺めれば雲雀が躍る道 翔びながら謳っては独壇場を誇る
釣りを楽しむ大男の愚かな頭 錆び付いた竿を持って糸を垂らす
航路につき釣り禁止との事 はっきり看板を見たけれど怯まぬ
そして謎が秘密をもたらす罠 橋脚が浸かる珊瑚礁の海は波立つ
哀愁を帯びた闇にたゆたう翳 満天の星がまばたいて白魚は游ぐ
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だって軟禁されリンチに脅えてる獣の気持ちは
はちきれる程にバイアスの囚獄で凍り付きそう
うっかりアルカロイドを摂取した狂人みたいで
でもバトルアックスが脳髄と虐待をかち割りゃ
やくざなピグマリオンの鎖をも切断する凶刃へ
へばる心で渦巻き暴れるペアレントを殺すなど
どうせトラウマの迫害に襲われて爆裂する辱だ
詩人:旅人モドキ(左利き) | [投票][編集] |
ユメはなんであるの
それは心の餓えや渇きを満たす為なんだ
たべられるんだね ユメってだれでもすきなの
そんなに綺麗じゃない夢に疵つけられたら厭気がさすんだ
あぶないんだね ユメはどんなかたちなの
その場での状況に応じて脹らんだり孔が空いたりするんだ
すごいけどふしぎだね ユメっていつごろとれるの
そもそも季節を問わず収穫できて余った夢を貘が戴くんだ
ありがとうバクさん